あっこさん、はじめまして(ですよね?) スピリチュアリズムの話とは違っても気にしなくて良いですよ。
|江戸時代の有機農業技術に比べ、現代の有機農業技術はいろいろな面で進化
|していると思います。
まぁ、そりゃそうですよね。そうした技術的進歩も、農業を取り巻くさまざまな要因の一つではあると思います。しかし江戸時代以前は云々と言いたがる無農薬・有機原理主義者とも言える人たちは、前回僕が書いたような日本の人口や人件費などの要因を無視して「江戸時代以前はみな無農薬だったのだから」と言います。そういうことを言うなら……というのが僕の書いたことの趣旨です。
ただしもちろん、技術的進歩を考慮しても、現状では完全無農薬は主流にはなりえないということです。
|>単純に、昔は出来ていたのだから
|>今でもやる気があれば出来るだろうとは言えない話です。
|
|そうでしょうか。
|やる気があれば不可能を可能に変えてしまうだけの技術革新が生まれる可能
|性があります。やる気がなければ進歩は望めません。
僕は何も「やる気がある」ことがダメだとは言っていません。しかし、無農薬を実現するために極端に手間が増えることを善しとしているようでは、それこそ進歩は望めません。これではダメだと思ってくれなくては。
有希さんのご発言や、今回のあっこさんの投稿からは、そういう問題意識が感じられないのです。妄想的な農薬・化学肥料嫌悪と、盲目的な無農薬・有機肥料信仰は感じられるのですが……。
|農薬で危険性の少ない物なんて、あるんでしょうか。
|シルバーバーチさんにお聞きしたいものです。「人体に安全な危険性の少な
|い農薬って、ありますか?」と。
|農薬は体に蓄積されますし、土壌から河川に流れ出し環境を汚染します。
全ての農薬が体に蓄積されると思っているんでしょうか? そんなありえない話が根拠ですか?
「危険性の少ないもの」……もちろんあるに決まってるでしょう。多いか少ないかは比較の問題です。ちょっと昔までは主に有機水銀剤やBHC、DDTなどの有機塩素殺虫剤などが使われていました。これは残留性も強いですし、環境汚染も深刻でした。しかしこれらの「危険性の大きいもの」は1960年代後半に禁止されています。現在使われているものは、それらと比べて遥かに「危険性の少ないもの」です。
それでもほんのわずかでも危険性があったら使ってはダメだとおっしゃるかも知れません。きっと家の中に蚊やゴキブリが出ても、蚊取り線香も殺虫剤も一切使わないのでしょう。殺虫剤は安全じゃありませんものね。ところで、20冊も出ているシルバーバーチの霊言集にも、さすがに農薬の話は出てきませんが、殺虫剤のことなら言及されています。
「すべての生命に敬意を抱かねばならないのは言うまでもないことで
すが、これも動機と程度の問題です。特殊な環境において病気の原因
となる虫が発生するので殺虫剤を使用するという場合は、その動機は
正しいと言えます。生きるための環境条件を確保する必要を考慮に入
れなければいけません。たとえばダニが発生した場合、その家に住む
者の健康を確保するという動機からであれば、スプレーして駆除して
しまった方がくつろいで暮らせます」
(『シルバーバーチの霊訓(8)』P.181)
要するに程度の問題で、無農薬原理主義者の間違いは程度の違いをまったく考えず、少しでも使っていれば「ダメなものはダメ」という強迫観念に囚われているところです。
|売れるというだけで安全面や健康のことを考えず見栄えの良いものを作る事
|しか考えない農家もいるのです。
|全ての農家がそうだとは言っていませんよ。
その通り、全ての農家ではありません。ですから、慣行栽培農家を十把一絡げに「農薬がどんな悪影響を及ぼすかは考えずに」などと非難するのは止めませんかと、僕は言っているんです。
農薬の害なんて知ったことかという、腐った連中も少なくないことぐらい知っています。支那など政府ぐるみで「農薬三倍使って金持ちになろう」とやっているぐらいで、日本にだって同じ考え方の人はいるでしょう(-_-;。
|神の摂理に反した方法(農薬・化学肥料づけ)だから虫がつきやすい弱い作
|物になるのではないでしょうか。
だからそれが開き直りだと言ってるんです。自分たちは無農薬だから虫がついているのは仕方がないと言いながら、慣行栽培の作物は弱っているから虫が付くなどと言う。世の中ではそういうのを「ダブルスタンダード」と言います。
それから、ここであっこさんは有機農法と対比して、慣行農法の作物を「農薬・化学肥料づけ」といいました。そういう杜撰な現状認識をこそ、僕は批判しているつもりなんですが、まったく理解されていないようですね。あなたも病気になれば薬を飲むこともあるでしょう。少しでも薬を飲んだら、果たしてその人は「薬づけ」ですか?
|>後継者は育つのか、
|
|これは農薬を使おうが使うまいが、現在農家の抱える悩みですね。
こういう脊髄反射レスで無責任なことを言い放つ神経を疑います。よぉく考えて、ご自分がいかに無責任なことを言っているか考えてみることです。
|これと同じで人体も環境も汚染する農薬を使った食物生産は神の摂理に反し
|た方法だと私は考えています。
|環境を汚さず人体にも安全な方法が人類に用意されていると思えてなりませ
|ん。
自動車は環境を汚染しますね。もちろん飛行機も電車も船も、どれをとっても「人体も環境も汚染する」ものです。そこで僕の立場は、どうせ使わねばならないなら、できる限り環境に負荷が少なく現実的なハイブリッドの車を普及させよう。なるべく自家用車よりバスや電車に乗ろうというもの。
あっこさんの主張は、ハイブリッドだって排ガスを出して環境を蝕む神の摂理に反するものだ。ガソリン車もアルコール車も、もちろんハイブリッドも全部ダメだ。電車だって発電所が環境を汚染しているじゃないか。太陽電池か水素燃料車にするべきだ。……というようなものです。
ま、確かに太陽電池の自動車も存在しますし、水素燃料の車も試作車は走ってますけどね。どうして今すぐにそれらがガソリン車と置き換えられないのか……説明の必要はありませんよね。もちろん、一部に無農薬栽培の方法がいろいろと試されていて、部分的にはうまく行っているところがあることぐらい知っていますよ。(リンクまで張って紹介してるんだけどなぁ)
|>最近のエコロジー志向の高まりもあって完全無農薬の農業を志す人は多い
|>よ
|>うですが、実際にはほとんどの人が挫折していると聞きます。
|
|おそらく、やり方が悪いのでしょう。
|現に無農薬・有機栽培でJASを取得して頑張っている農家もいますから。
そうですね。野球少年のほとんどがプロ野球選手になれないのは、おそらく「やり方が悪いのでしょう」。現にプロ野球選手になっている人もいますから。美術大学の学生のうち一割以下しか作家になれないのも「やり方が悪いのでしょう」。現に画家として成功している人もいますから。完全無農薬を志すほとんどの人が挫折するのも「やり方が悪いのでしょう」ね。現に(以下略)
無農薬の農業を志すほどの人は、失敗した人だってある程度は勉強しているはずですよ。少なくともあっこさんが知っている程度のことは全部知っているでしょう。人生をかけてるんですから。それでも大部分が失敗するようなものが、日本の自給率をカバーできるはずがないでしょう?
それから、漢方の薬草であろうが薬は薬です。害の無い薬などありません。あなたの理論では、使っちゃいけないんじゃありませんか?
|努力して試行錯誤を繰り返せば、霊界からヒントを得て、バラを栽培してい
|る人のように、その作物にかなった病害虫対策を見つけ出せるかもしれませ
|ん。
要するに、まだ試行錯誤が必要で、それぞれの作物にかなった病害虫対策も見つかっていない状態。つまり現状では一般的なものとして考えるのは時期尚早ということでしょう? 方法が確立もしてないくて、実際に多くの人が失敗して人生を棒に振っているのに「努力すれば……」などとは無責任でしょう。簡単に試行錯誤と言いますが、一度の「錯誤」でどれだけの損失を被るのか……そんな余裕のある農家がどれだけあると思いますか?
だから現状では、一般の農家は慣行栽培で、少しずつ減農薬。無農薬をやれる人はどうぞどんどんやってくださいと、前回も言ったとおりです。本当に、一部の人だけではなく、やろうと思った人のほとんどが成功できて、極端に労力が増えることもなく、収量は減らず、価格も慣行栽培と同等に出来る方法が確立したなら、そのときこそ日本中の全ての農家は無農薬を志すべきですし、実際にそうなるでしょう。(現状では減農薬でさえ失敗する人が多い)
ここでもう一度確認しておきますが、僕の主張のポイントは2つ。
1.無農薬栽培を労働時間を極端に増やすことでしか実現できないなら、一般的なものとはなりえない。
2.慣行栽培でも減農薬の方法は研究されている。十把一絡げに悪呼ばわりするのは妄想的な無農薬信仰とでも言うべきもので、ナンセンスである。
|上記のような悪どい連中は例外として、現に有機農法はビジネスとしてなり
|たっていますよね。
|自然食品の店などで売っている有機栽培のニンジンを食べたことありますか?
|甘くて味が濃くてニンジンのニオイが強くて美味しいんです。
非常に高価なものが、一部の人間を対象に成り立っているだけです。しかしその一方でマクドナルドのハンバーガーを美味しいという人間がいる国ですから(トイレットペーパーを固めたような味だと僕は思うんですが(^^;)、美味しいからって高くては一般的なものにはならないでしょうね。
椅子一脚で十万円手作り高級家具がビジネスとして成り立っているとしても、それを日本国民のほとんどが使うようになることは絶対にありませんよね。そりゃあ確かにモノは良いでしょうけど。工場生産なみの値段で売らねばならなくなったらビジネスとしては成り立たなくなるはずです。(もちろん、ごく稀に、成り立たせることが出来る人も、いることはいるでしょうけど)
味は、有機・無農薬だって不味いものはありますし、慣行栽培でも美味いものもあります。有機でも過剰施肥すれば濃度障害を起して不味い作物が出来るのは当然ですし、だいいち今どき慣行栽培の農家でもみんな有機肥料も使ってますよ。一般的に有機農業を志す人は、慣行栽培の農家よりこだわりを持っている人が多く、栽培技術が優れている場合が多いと思われますので、有機野菜が美味いということは事実の場合が多いとは思います。
先日、本当においしい理想の野菜の生産者として有名な方の著書をみたんですが、その方は土作りのためには必要なものは何でも使うという考えで、一応メインは有機肥料のようでしたが、化学肥料も使っているようでしたし、必要に応じて農薬も「薬として」使うとの事でした。要するに栽培技術の問題であって、肥料が化学だからダメとか、農薬を使っているからダメとかいうのはナンセンスだと思います。
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