皆さん、どうも。ご無沙汰してます(^_^;ゞ ここ2〜3週間、忙しくて忙しくて。たぶん11月の中旬ごろには暇になると思うんですが。コメント書きかけてた発言もいくつかあるんですが、みんな過去ログの彼方に流れて行ってしまいました。このペースではもう僕には発言できませんね、ううむ(^^;。
……とも言ってられないので、ざっと過去ログを見ながら、あれこれ書いてみようと思います。
さて、このところ気になったのは、やはりニューエイジ的な発言が増えていることですね。っと指摘しているにもかかわらず、その種の発言が全く減ることが無いのは、やはり書いてる本人たちもまったく分かってないからなんでしょう。もしかしたら「ニューエイジ的」というより、「スピリチュアリズム的でない」と言ったほうが良いかもしれませんが……。
たとえば#2878 光のシャワーさんの発言なんかは(感謝してくれているのにこういうことを言うのは心苦しいんですが)これこそ僕が言ったニューエイジ的な発言のサンプルのようなものです。どうして根拠も無く「類魂を理解できるお許しが出た」などと思えるのでしょう? こんな程度のことに霊界のお許しを持ち出す必然性が、一体どこにあるんでしょう? 何かを分かったり分からなかったりという、そんなどうでも良いことまでいちいちコントロールすることに何の意味があるとも思えませんし、守護霊がそれほどヒマだとも思えません。
何かを分かったことを「お許しが出たのだ」と言うことは、一見謙虚なようにも見えます。が、それは実は自分の判断は全て霊界のお墨付きなのだという、とんでもなく傲慢な物言いなんじゃないでしょうか。自己責任で判断することを放棄しているんじゃないでしょうか。少なくとも、そこに理解の介入する余地のない、危うい考え方であることは間違いありません。
僕が心配するのは、「理解できるお許しが出た」などと思ってしまって、もしもそれが間違っていたらどうするのか、ということです。こんな信じ方をしたら、懐疑的な姿勢で対峙したり、引き返すことが出来なくなってしまいます。直感的に“真実と分かって”しまって泥沼にはまり込んで行くカルト教団の信者(彼らの多くはそれを真理であると“直感的”に感じています)のように、スピリチュアリズムを信じては貰いたくありません。信じるにせよ否定するにせよ、その判断の責任は自分自身で負うべきであって、必要も無いことにまで霊界を持ち出して、空想的な世界観を弄ぶようなことをして欲しくないのです。
それから#2904のさらさんが書かれた150人の祈りの会のお話ですね。これに疑問の声が出ないというのも(スピリチュアリストの掲示板としては)おかしな話で、どんな祈りに対してどんな効果があったのか? 祈りの有無で結果に変化があった統計はあるのか? 祈らなくても同じ結果になった可能性はどの程度あるのか? 祈ったことによって本当に有意な結果が出ているのか?
簡単に信じてしまうのではなく、スピリチュアリストであるならば、まず最初に“疑う”べきです。それで納得できる回答があれば、そこで初めて肯定的に受け入れることが出来るはずです。
ヴィクトリア朝の遺伝学者フランシス・ゴールトンはこう述べた。もしも祈り
が効くならば、(ほかの条件は同じだとして)英国の王族は長生きするはずで
ある。なにしろ世界中で何百万人もの人たちが、毎日心から「神よ、女王を(
あるいは王を)救いたまえ」と唱えているのだから。しかしゴールトンは、王
族はたしかに長生きだが、裕福で満ち足りた暮らしをしている貴族と同程度で
しかないことを示したのだった。中国では何千万人もの人々が、毛沢東が「一
万年生きますように」と心を一つにして願った(これは厳密には祈りとは言え
ないかもしれないが)。古代エジプトでは民衆の大半が、ファラオに「永遠の
命」を賜るようにと神に訴えた。しかし、こうした集団的祈りが功を奏するこ
とはなかった。祈りの失敗はデータである。
(『カール・セーガン 科学と悪霊を語る』新潮社 P.279-280)
また、これも今まで何度も何度も書いてきたことですが「世界平和のために祈りましょう」みたいな話も、到底受け入れがたいものの一つです。世界が平和じゃないのは誰のせいかと言えば、それはひとえに地上の人間のせいでしょう。それを祈ったら霊界が少しでも何とかしてもらえると思うなど、虫がいいにも程があります。無知無学の輩ならともかく、スピリチュアリストともあろう者が言うことではありません。もしも祈るなら(これも以前にも書きましたが)「世界平和のために貢献できる力を下さい」と祈り、自らもそのためのを努力すべきです。「世界を平和にして下さい」ではいけません。
似非科学(およびニューエイジや古来の宗教)のなかには、「願えば叶う」
という考えを中心に据えるものがある。(中略)それが本当なら、どんなに心
が満たされることだろう。願いを叶えるためには、普通なら努力や幸運が必要
だ。それがなくてもいいというのは、なんと魅惑的な話だろう。(中略)
八歳のころ、私はその気になって何時間も石に向かい、この呪文を試みたも
のだった。「ベカウ、ヨシイ」。一度も成功しなかったけれど、私はそれを自
分の発音が悪いせいにした。
(『カール・セーガン 科学と悪霊を語る』新潮社 P.30)
この「祈り」の問題は、ニューエイジお得意のポジティブシンキングとも直結することであるわけです。カール・セーガンが語ったこの微笑ましいエピソードには重要な教訓が含まれていると思います。疑わず、有意なデータの蓄積もしないニューエイジャーは、上手く行ったときだけ成功データとして記憶して、失敗例は無かったことにしてしまう(願い方が足らなかったからであると)。しかし、願ったからって叶うわけではありません。確か吉田戦車の漫画に(^^;、山で荒行する修験者が「我を大学に合格させたまえ!」と願いを叫ぶと「勉強しろ!」と言われるのがありましたが、要は願ってるだけではダメで、願いの分だけ努力しろということです。
ポジティブシンキングなどと言っていれば聞こえは良いですが、そんなことを言っているのは本当に願って努力したことなどない人間。もしくは挫折した人間のことなど省みようともしない、傲慢な成功者のどちらかであるに違いありません。
(ただ、願いが強ければ叶う可能性が高いと言うのは、ある意味では正しいと言えないこともありません。たとえば大学受験程度のことなら、毎日18時間勉強すれば大抵の学校には入れるでしょう(^^;。願ったから叶うわけじゃなくて、本当に願いが強いならその程度のことは出来るでしょう?ということですが)
(僕は日本画の世界を見てきましたが、願って願って、本当に必死で努力して、それでも成功するのはホンの一握りの人間だけです。それでも「それは願い方が足りないからだ」などと言いやがる奴は、ぶち殺しますよ?(^^;)
もっとも、これらはまだ検討する価値はあるだけマシな方で、もう一人のサラさん(カタカナのほうの)が仰るUFOの話など最初から検討する気にもなりません。……別に僕は異星人が地球に来ている可能性がないとは言いません。どんなにわずかであろうとも、何光年もの彼方からやってきた異星人が日本のスーパーでうろうろしている可能性だって、(限りなくゼロに近いとしても)絶対に有り得ないとは言えませんよね。
ただし、そういう話を書いたら「この人は妄想に取り付かれているんだな」(あるいは「低級霊に取り憑かれているのだ」)と思われるだろう……と、それぐらいは想像できる程度の判断力さえないような人を、異星人がわざわざ自分たちの宇宙船に招待することはないだろうと、まあ、僕は思うわけです。疑うとかいう以前に、もしも本当に宇宙人が地球に来ているとしても、どうせ宇宙船内に招待するならもっと招待する価値のある人を招待するだろうと。しかも敵対する両陣営の宇宙船から招待されるというのも良く分からない話ですし。
上でも引用している『カール・セーガン 科学と悪霊を語る』はスピリチュアリスト必読の名著ですが、この本でもUFOなどについて(もちろん懐疑的な立場から)詳しく述べられていますので、是非皆さんにも読んでいただきたいと思います。僕は発売当時に2,500円もするハードカバーの本を買いましたが、今では『人はなぜエセ科学に騙されるのか』と改題されて上下二巻の文庫本として出ています。文庫のほうが読みやすいですし、僕も買い直したいところです(ちなみに上下巻とも¥667)。著者のカール・セーガン博士は伝説的な科学ドキュメンタリー『COSMOS』でも知られる惑星物理学者にして懐疑主義者ですが、僕のもっとも尊敬する人物の一人です。
『人はなぜエセ科学に騙されるのか〈上〉』カール・セーガン著・新潮文庫
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4102294031/ref=nosim/paperbirch-22
『人はなぜエセ科学に騙されるのか〈下〉』カール・セーガン著・新潮文庫
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/410229404X/ref=nosim/paperbirch-22
ちなみにセーガン博士の『COSMOS』はDVDが出ています。英語版ですが日本語字幕もついていますし、リージョンフリーですので日本国内のプレーヤーで再生できます。僕が何年前かに本国のamazon.comで買ったDVDは第一話だけ日本語字幕の順番がデタラメだったんですが((;_;)うわあぁぁん)、現在amazon.co.jpのレビューではそのことが書かれていないようなので、最新版ではたぶん直っているんでしょう(^^;。価格は¥14,186で日本のamazon.co.jpで買えます。内容を考えれば信じられないほど安いです。小さな子供でも見れるように日本語吹き替え版も欲しいところですが、中学生以上なら字幕でも大丈夫でしょう。僕は自分の人生に於いて、カール・セーガン博士の著作や『COSMOS』と出会えたことは幸運だったと思っています。全ての人に、強く、強く、強く!オススメします。
『Cosmos Collector's Edition』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B000055ZOB/ref=nosim/paperbirch-22
で、誰か買ったら僕にコピーさせ……いや(^_^;ゞ、第一話の字幕が正常だったかどうか教えて欲しいです。直ってたら買いなおしてしまうかも……(今は英語字幕で見てますが(^^;)
スピリチュアリズムとニューエイジのもっとも根本的な違いとか、いろいろと書くべきことは残ってますが、ここまででも既にかなり長くなってしまいましたので、それらの話は次回に譲ります。では。
http://www.paperbirch.com/