心霊学研究所
図書室
('01.05.13)


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書 名
檢證せよ、超能力!〜その迷信を暴く
著 者
群松惠之介
出版社
アートブック本の森/コアラブックス
定 価
952円(税抜き)
発行日
1999/06/01
判 型
新書
ページ数
172ページ
ISBN
ISBN4-87693-472-X
評 価

 

こ、これはヒドイ。ざっと見ても、どのページを開いても一つや二つは変なことが書いてある(^^;。普通なら書店でパラパラとめくっただけで買う価値ナシと判断するのだが、一応スピリチュアリズムという言葉も出ていることであるし、買った上で批判することにした。

そう、この本にはスピリチュアリズムという言葉が出て来る。マイナーだと思っていたスピリチュアリズムも、こんな人にまで取り上げられるまでになったかと感慨ひとしお、と、言いたいところではある。が、この著者の群松氏の言うところによれば

肝腎のスピリチュアリズムも、現在までの状況を見ると、幽界以下の低次元に留まっているようで、しかも地獄界と魔界との区別もついていない。

とのことで、どうやらこの人はスピリチュアリズムとはどういうものか、さっぱり判っていないらしい。何しろ「魔界」だもんな(汗)。で、この著者の群松氏は、彼の考える“脳内”スピリチュアリズム(笑)を低級なものと切って捨て(いや、低級なのはあなたの頭の中だと思うぞ)、独自の『高度スピリチュアリズム』とかいうものを提唱しているらしい。自信を持って“高度”と言うからにはよほど素晴らしいものか?というと……言うまでもないでしょう、完全に「トンデモ」なんである(^^;。

たとえばこの人によれば……超常能力を得ることは魔界に直結することで、死後は魔界行き、生まれ変わりも魔界から転生してくることになるそうだ。もちろんイエス・キリストは魔界転生の真性魔神で、イエスの奇跡のいくつかを見ると悪魔の手口で神の仕業ではなく、空海・最澄はインド魔界のエージェント。気の毒だが中国は魔界しかない国である(オイオイ(^^;)。チベット(支那に不法占領されている)は魔境だから助けるべきではなく放っておけば良い(こ、こいつは〜(-_-;)。ユダヤは呪われた家系だから不幸な生涯もやむを得ない(ざけんじゃねーぞ(`_'))。霊動は動けば動くほど心が静まって良いのだ(あのぉ〜、憑依されてると思うんですけど〜(>_<))

……っと言うことで、結局この人は、スピリチュアリズムという言葉のネームバリューを利用して自分を売り出したかったのではなかろうか。惜しむらくはこの人がスピリチュアリズムという言葉だけは知っていたが、内容は一切知らなかったということ。『“高度”スピリチュアリズム』なるものをでっち上げるにしても、せめて聞きかじりでもスピリチュアリズムの正しい内容を知った上でのことなら、この本からも少しはスピリチュアリズムとの縁が出来る人もいたかもしれない。でも……これじゃあねぇ。

それにしても、この程度の内容のものが出版され、書店に並び、あまつさえ買う人がいるとは……(これを購入した書店に数日後に行ったら二〜三冊減ってましたから)。たまに思うんですが、もしかして日本の心霊界ってのは「バカばっか」なんじゃないかと……それにしてもなぁ。


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