心霊学研究所
スピリチュアリズムQ&A

スピリチュアリズムQ&A(1)


スピリチュアリズムとは何なのでしょうか?


1848年に起こった『ハイズビル事件』と呼ばれるポルターガイスト事件をきっかけに始まった霊的思想です。

 ハイズビル事件で起こったポルターガイスト現象があまりにも鮮やかだったために、そのニュースはセンセーショナルに扱われ、瞬く間に世界中に広まりました。それまでならこうした心霊現象は、『奇跡』か『悪魔の仕業』で片づけられておしまいだったでしょう。しかし、19世紀は科学万能の考え方が起こってきた時代です。そういう現象を科学的に分析しようと考える科学者が続出したのも当然の帰結でした。
(ハイズビル事件のことは次回に説明します)

 そうした動きの中で、多くの霊能者・霊媒が現れ、スピリチュアリズムは欧米で大ブームとなりました。そのほとんどは、残念ながら興味本意の霊能ショーといったレベルでしかありませんでしたが、その裏で、当時の一流の学者たちによる研究も、着々と進んでいました。

 たとえば、ウィリアム・クルックスやオリバー・ロッジ、アルフレッド・ラッセル・ウォレスなど、現代の人名辞典にも載っているような人達が学者生命を掛けて研究し、揃って霊の存在を確信したのです。

 もちろん、それだけで終っては、単なる『心霊研究』または『超心理学』前史に過ぎません。スピリチュアリズムのスピリチュアリズムたるゆえんは、研究の結果得た「霊・霊界は実在する」という結論から、「それでは我々人間は、いかに生きるべきなのか」という事を考え始めたことです。

 研究の過程で、霊媒が伝える霊のメッセージの中に、非常に高度な霊的人生哲学と言えるものが見受けられることに気づく人もいました。実際、それらの霊界通信の中には、それまでのすべての宗教が内包していた『霊的真理』が、最も純粋な形で輝いていたのです。

 

 スピリチュアリズムには、特定の教祖もいませんし、決まった教義(ドグマ)もありません。さまざまな心霊研究の結果と、さまざまな霊界通信。それらを一人ひとりが自分の責任に於て取捨選択し、自分なりの心霊観・人生観を構築し、実践していくこと……それこそがスピリチュアリズム(Spiritualism)であると、僕は考えています。

初出:Nifty-Serve FARION『心霊学研究所』(4/23/98)


目次次ページ

心霊学研究所トップページ