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自閉症スペクトル関連
日記抜粋
(2003年前半)

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'03.01.14(火)

で、やっぱり考えるのは子供のこと。あれやこれやと考えていたら、思わず涙が出そうになってしまいました。やっぱり子供の障害(広汎性発達障害・自閉症スペクトル障害)のことを考えると、ね。僕自身はこのことは克服したつもりだったんですが、あんなに天真爛漫で、楽しそうに笑う子が……いつか自分の障害のことに気付いて苦しむ時が来るんだろうか、とか、そんなことを考えると、やはり切なくなってしまいます。

自閉症スペクトルに関しては、僕自身にも間違いなく同じ傾向があると思っていますし(診断が出るほどではないと思いますが、その端っこの方にはいるのだろうと)、そのためにいろいろな事があって、苦しみつつ克服してきた経緯があるだけに、余計に思いが深まるのかもしれません。しかし、そういう過去の経験も、これからの娘を少しでも深く理解する縁《よすが》となるなら、大きな意味があったことになるのでしょう。あの、過去の自分の辛かったことのあれこれが娘のためになるなら、こんなに嬉しいことはありません。

 体験のすべてがあなたの進化の肥やしです。そのうちあなたにも、肉体の束縛から解放されて物的な曇りのない目で地上生活を振り返る時がまいります。そうすれば、紆余曲折した一見とりとめもない出来事の絡み合いの中で、一つ一つがちゃんとした意味をもち、あなたの魂を目覚めさせ、その可能性を引き出させる上で意義があったことを、つぶさに理解なさるはずです。
(『シルバーバーチの霊訓----スピリチュアリズムによる霊性進化の道しるべ』P.137)
※自費出版ですので注文は直接「心の道場」さんへ。当サイトのリンクのコーナーよりどうぞ)

'03.01.19(日)

上の娘の広汎性発達障害の診察に三カ月に一回、岡崎の病院に行っているのは以前にも書きました。東三河ではその先生一人しか診断できる人がいないということです。ただ、一人だけしか知らないより、他の先生にも見てもらいたい(セカンド・オピニオンと言うんでしたっけ?)という話が妻との間で出てきています。

残念ながら愛知県全体でも自閉症を見られる人はそう何人もいるわけではないようです。名古屋の大学病院か、この世界では有名な某先生(著書も素晴らしいんです!)のどちらかに行きたいね、という話になってるんですが、大学病院でも半年以上待ち、有名な某先生は余裕で一年以上待ち。大変だ(^^;。これでも愛知県は恵まれている方らしいんですが……。

それでもできる限りのことはしたいですし、たとえ一年待ちでも……と思いますよね。まぁ、どんなに人気で何年待ちでも、診察料を何万円も取られるわけじゃないんで安心ですけど(^^;。(他の科みたいに3分診療なんて有り得ませんし、児童精神科は決して儲からないと思う)

そう考えると、人が困っているのに付け込んで高額の料金をふんだくる霊能者どもって、ホントに許せない感じがしまね。そりゃあね、弱ってる時は藁をもつかみたいですし、有益なアドバイスをくれる大先生(実際は違うんだけど)と信じていれば、五万円だろうが十万円だろうが喜んで払っちゃうだろうさ……。でも、だからってそんなことしててイイのか?ってことですよね。そりゃ弱みに付け込むってことだろ?って。……児童精神科の(大御所の)某先生の爪の垢でも煎じて飲んでもらいたいもんです。


'03.01.25(土)

土曜日はいつもの上の娘の言語の教室。保育園の加配の先生が様子を見に来てくれました。終った後、保育園での様子、家での様子など情報交換。それにしても、どんどん進歩してるね、という話。

来週は三カ月に一度の児童精神科に行くので、障害者手帳をどうするかという相談なども少し。申請するんならもっと早くしたほうが良かったんでしょうけど、手帳が無くても3歳までの幼児は医療費無料(豊川市の場合)なので、今までそんなことは考えてなかったんですよね(^^;。でも、実際4歳になって医療費がかかるようになってみると、言語の教室なんて毎週ですし、精神科も定期的にかからねばなりませんから意外に馬鹿になりません。保育園も障害者枠がどうなってるのかは分かりませんが、まぁ、早めに取っておいた方が良いだろうと。

ただ自閉症って、障害者手帳がもらえる場合ともらえない場合があるらしいんですよね。自治体によっては知的障害も持ってないと出なかったり、全く同じアスペルガー型の自閉症でも「アスペルガー症候群」という診断名だと出なくて「高機能自閉症」という診断名だと出たりする(^^;。広汎性発達障害で出たのにアスペルガー症候群で出なかったとか聞くと、なんでやねんと思ったりもするわけですがぁ(^^;。ま、自治体の担当者レベルでは、そこまで理解が及ばないのは仕方がないことではあります。


'03.01.29(水)

三カ月前から予約していた子供の児童精神科に行ってきました。いつものように僕ら夫婦と長女で先生と面談(次女は水疱瘡なので留守番です(^^;)。あれこれと娘の様子を報告して、少々アドバイスなどもらい、20分ほど。前の子の診察が長引いていたので、うちはちょっと短くなってしまったようでした。尤も、短く済むというのは、現時点では特に問題がないということでもある(と思う)ので、悪いことではない……んじゃないかと思う(^^;。

障害者手帳のことを聞くと、その判定は児童相談所なんだそうです。ということはつまり、手帳が出るかどうかには自閉傾向は問われず、知的障害の有無のみで判定されるということなんでしょう。とすると、ちょっとうちの子に出るかどうかは微妙かも知れません。かなりいろいろ出来るようになって来てますし。……親の欲目かな? 手帳なんて出ないに越したことはないんですけどね……。


'03.02.02(日)

上の娘が「パパのこと、いっぱいすき!」と言ってくれる。ううう、嬉しすぎ(*^_^*)。こんな感じで、最近いろいろ嬉しいこと多し。

たとえば、以前からずっと娘と一緒の布団で寝てるんですが、昨年までは寝るときは絶対に手をつないでくれなかったんですね。「ママと手をつなぐ。パパはだめ」というふうで、母親とは手をつながないと寝られないのに僕とはダメ。寝室までは手をつないでいくのに、布団で横になった瞬間に「ダメー!」と言って手を振りほどくわけ(^^;。自閉症スペクトラムゆえの意味のないコダワリに過ぎないとは思っても、やはり悲しいものがあります。

ところが今年の1月3日の晩、急に「パパ、手、つなご」と言ってきて、その日から毎日僕と手をつないで寝るようになったんです。それまで意地でも手をつなごうとしなかったのがウソのような変貌ぶりで、嬉しいやら驚くやら。もっとも、今まで出来なかったことが急に出来るようになるというのは自閉症の子にはよくある現象のようで、普通の子みたいに徐々に出来るようになるんじゃなく、急に完璧にマスターしてしまうんだそうですが。

そういえばうちの子の場合、トイレがそうでした。前日まではトイレに入るのも「こわい」と言って泣き叫んでいたのに、突然自分で「といれ、いく」と言って一人でトイレに行って用足しを済ませてしまったという(^^;。(このことはたしか以前の日記でも書きましたよね)


'03.02.18(火)

長女も熱が出てきたようですが本人は至って元気。夕方、電話で話したときも「ありかは、おねつでねてるよ。くららは、元気だよ」と言ってました。単に身体感覚が鈍いということなのかもしれませんが……。
(自閉症スペクトルによく見られる症状で、寒さ暑さに対する感覚が鈍いことがあるそうです。そういえば僕も小学校のとき、ひと冬半袖半ズボンで通したことが……(^^;)


'03.03.29(土)

児童心理学者で日本の自閉症研究の第一人者である児童精神科医の杉山登志郎先生の講演会に行ってきました。その間、子供たちはジジババ(母方の。つまり僕の義父義母)にお願いして、会場の近くの東山動物園に。ちょっと心配ですが、託児所がないようなので。一緒に言語の教室に通っている他のお母さんたちも行きたいようでしたが、やはりその間子供を預けるところがないのがネックになって行けないようでした。今回は、大学が企画した無料の講演会なので仕方がないんでしょうね。

会場は大学の講義室(なのかな?)で、僕らは少し早めに着いて席を取りましたが、その後あっという間に定員300人の席はほぼ満員に。多分みんな教育関係者・医療関係者・発達障害児の親(僕らはこれです)なのかなという雰囲気。いや、あと「本人」も、か。杉山先生は物腰の柔らかい、ジェントルな雰囲気の紳士で、障害児の親としては「こんな先生だったら頼りがいがあるよなぁ」と思わせるオーラを発していました(^^;。森本レオのような優しい声でした(って、これは最近イメージ悪いか……)。

講演の内容までここに書いても仕方がないので書きませんが、適度にユーモアも交え、発達障害の基礎的知識から症例・対処法まで次々と話され、一時間半はあっという間に過ぎてしまいました。勉強になりました。(学生相手の講義では「話が早すぎで付いていけない」と言われるそうです。ご本人は元ADHDだからなんて仰ってましたが……)

子供たちは動物園でとっても良い子だったそう。義父が言うには、上の子の方は動物をちらちらと見るだけで興味無いのかと思ったそうですが、さにあらず。帰りの車内で、あれを見たこれを見たと何をしてたと嬉しそうに話すので、驚いたようです。


'03.03.30(日)

夜の外食にて。

後ろのほうの席で何かゴトゴトと音がして、ちょっと嫌な音だなぁと思っていると、上の娘が耳を押さえてうずくまってました。妻は「どうしたの?」と、その音にちっとも気付いてさえない。僕が「音が……」と言っても分からないぐらいだったんですが、長女にとってはものすごく嫌な音だったようです。

こういう音に対する過敏性も自閉症スペクトラムの症状の一つにあるんですが、とっさにどういう対応をしたら良いのか分からなくて(音の方が止んでくれたので良かった)ちょっとオロオロしてしまいました。いろいろと勉強してはいても、実際の対応というのは難しいことがいっぱいあるものですねぇ。(心霊の分野でも然り、ですが)


'03.04.04(金)

朝刊でテレビ欄を見たら、夜7時から江原さんの特番が! そんな時間に家に帰れるはずがないので予約録画。それにしても……いや論評は実際見るまで控えるとしましょう(^^;。

自閉症を描いた感動的なコミック『光とともに・・・』の連載誌for.Mrsの新しいのが出ていたので書店で立ち読み。作者取材のために休載でした。残念。

もしかして原稿落ちたのかな〜なんて思っていたんですが、その割には自閉症の特集ページが充実しているのは頑張って穴埋めしたのかというとサにあらず。家に帰ってから妻に聞くと、先月号にもお休みの告知がされてたんだそうです。そうか落としたんじゃなかったんですね。疑ってスマン(^^;。

さてこの『光とともに…』(戸部けいこ著、秋田書店)単行本の4巻がもうすぐ出ます。自閉症のことをとてもよく調べて描かれていて、自閉症の世界の入門書としても最適ですし(なかなか文字の本を読むのも大変だという人には特にオススメ(^^;)、ストーリーもとっても良いので、ぜひこの機会に読んでみて欲しいなと思います。

『光とともに…(1)』
『光とともに…(2)』
『光とともに…(3)』

4巻は4月24日(木)に発売です!(amazon.co.jpの予約は当てにならないので近所の大きめの書店で探されると良いでしょう。たぶん平積みになってます)


'03.04.09(水)

一年ぶり。長女の知能検査をしてもらいに児童相談所へ。その結果しだいで療育手帳を出してもらうことになります。現在の日本の制度では自閉症で手帳は出ないので、知的障害の有無のみで判断されます。どんなに自閉症が重くても高機能(知的障害がない)なら障害者としての配慮は得られないなんておかしな話ではありますが。

児童相談所は名前も『東三河児童・障害者相談センター』と変わり、昨年とは場所も変わって新しい建物になっていました(市の他の施設と一緒になったようです)。検査方法は昨年と同じ田中ビネー式。なんとなく覚えのある問題が出てきます。で、昨年も思ったんですが、あの問題で使われる絵は何とかならないもんでしょうか?(^^; 黒電話とか、下駄とか、たぶん今の子供は健常児でも分からないと思うんですけど〜(汗)。(ちょっと思い出せないけど、もっと時代錯誤的な絵もあったと思う)

結果はちょうど知能指数100! 言うまでもないと思いますが知能指数は平均が100ですから、うちの子も概ね普通の子に追いつけたということになります(ま、そんな簡単なもんじゃないんですけど)。自閉症児の例にもれず、ものすごく進んでいるところと遅れているところのばらつきが大きいようですが、それでも100は100ですから(^^;。

ちなみに昨年の結果はどうだったか、参考までに聞いてみると、昨年は68だったそうで(75以下が知的障害者ですから)堂々たる知的障害者だったことになります。(センターのファイルにも「知障」と書いてありました)

別にガリ勉させたわけじゃありませんよ。ただ障害の特性を理解して(理解できたかは分かりませんが、理解しようという努力をして)、日々のかかわり方をちょっと工夫してやるだけでこんなに違ってくるんだなと、障害受容と早期療育の大切さを改めて知った思いがしました。

以前本で読んだ症例に、知能指数70ぐらいの子が療育によって100まで伸びた例と、別の同じ程度の子が、親が障害を受け入れられず普通の子と同じようにしか育てなかったために知能指数50程度まで落ちてしまったという例が出ていましたが、親の立場ではなかなか受け入れられないのも分かります。部分的にはずば抜けて優れていたりしますし、うちの子に限ってと思ったりもしますし。

うちの場合はそれに加えてジジババの「パパも同じような感じだったし心配ないよ」というのもありましたが(^_^;ゞ(パパというのは僕のことです)。しかし、そのことを考えてみると、心配しなければならないのはその“パパ”の方だったんじゃないかという……。

もちろん、知能指数がいくらであろうと自閉症の問題はそこにあるわけではなくて“社会性の障害”と“コミュニケーションの障害”そして“こだわり行動”なので、100になったから安心というわけではありません。知能指数130を超えるアスペの人でも全く社会生活を営めないことがありますから。でも、順調な発達の指標の一つとして、まずはメデタイと、素直に喜んだ一日だったのでした)^o^(。


'03.04.10(木)

ご存知の人も多いかと思いますが、数年前にテレビでやっていたドラマ『君が教えてくれたこと』は、高機能自閉症(知的障害のない自閉症)の女性のラブストーリー(なんだそ〜です。昔から日本のドラマに関心のない僕は全然知らない)。ここ数ヶ月レンタルビデオを探していたんですが、豊川市内ではどうしても見つからなくて、最近、ようやく会社の近くの店で見つけていました。

っで、会員証を作って全巻(一巻当たり3話×4本=全12話)借りてきました。木曜日はレンタル割引なので(^^;。「明日ぐらいから見ようか」と思っていたんですが、深夜12時過ぎに寝ようとすると、妻が居間に行くので聞くと「一話だけでも見ようと思って」……でも1時過ぎても戻ってきません。様子を見に行くとまだビデオを見てました。そこから僕もついつい一緒に……。結局3話だけ先に見てしまいました(^^;。

物語の善し悪しはまだ分かりませんが、ともさかりえ熱演ですね。すごくアスペっぽい感じで、良さげな感じがします。さすがに自閉症研究の第一人者である杉山登志郎先生と辻井正次先生が監修されただけのことはあります。

ドラマの公式サイトはこちら。
http://www.tbs.co.jp/kimioshi/
放送終了後2年以上になるのに残してあるんですね。TBSエライ!


'03.04.11(金)

『君が教えてくれたこと』のビデオ。妻が見たところまでと思って夜12時頃に1話から見始め、2話まで見たのは良かったんですが、4話以降も「あと少しだけ」なんて思って見始めたのが運のツキ。「あと少し、あと少し」と、気付いたら5時過ぎまでかかって7話まで見てしまいました。いきなり大ハマリ状態です(笑)。


'03.04.12(土)

長女は土曜日の言語訓練。これともう一つ、もうすぐ音楽教室にも通うことが決まっているので、習い事を二つすることになります。言語訓練を習い事と言うのかは微妙ではありますが(^^;。

先月の杉山先生の講演会でも「習い事は二つまで」というのが出ていて、これは障害の有無は関係ないんだそうです。パニックや不安定さが出ていた子供が実は毎日のように習い事に行かされていて(そういう時の親の常套句は「本人も楽しんでいて行きたいと言っている」だったりします(^^;)それを二つに減らさせたら急に落ち着いたとか。

中高校生で受験を控えているなら別ですが、小学生以下のお子さんを毎日塾や習い事に行かせている親御さんは要注意ですね。お勉強より精神性を育てましょう、というか、高機能自閉症(知的遅れのない自閉症)の大人の症例を見ると、知的レベルが高くて超一流大学を卒業できても、会社の中では全くやっていけないことが多かったりします。いや、むしろ自閉症の場合、知的レベルが高いほど離職率が高いという調査結果があるんだそうです。なぜそうなるかという確たる理由は分かりませんが、なまじ知的に高くて勉強が出来てしまったために自閉症という障害の発見が遅れ、社会性の障害を補う訓練を受けられないということはあるようです。

脳の障害のために生まれつき社会性に障害を持った自閉症ではなくても、幼児のうちから毎日毎日習い事をさせられているような子供の将来を考えると、少し心配になってしまいます。お勉強はできるようになるんでしょうが、せっかく健常な脳を持って生まれた幸運を放棄するようなことにならねば良いんですが……いや、うちの親戚にそういう(習い事漬けの)子がいるもんですから(^^;ゞ。

(念の為に注記しておきますが、毎日習い事などさせていると“自閉症になってしまう”ということを言っているのでは“ありません”。自閉症は生まれつきの脳の障害であって、育て方などで後天的になるものではありません

それで……おっと時間切れ、続きは明日書きます。


'03.04.13(日)

(承前)

それで、まさにそういう“知能の高い自閉症”を扱ったドラマなわけです『君が教えてくれたこと』は。土曜日のお昼から子供たちが出かけてたりしたので、ビデオの続きを一人で最終回まで見てしまいました。

……で、どうだったかというと、見ながら何度も何度も泣いてしまいました(;_;)。自閉症者と一般社会の間に生じる問題点と、それを乗り越えて行く主人公の姿を正確に描いているので物語世界に深く感情移入して見られました(たぶん自分の子供のこともあるからでしょうけど)。

その上で根本的なところではラブストーリーとしても成立させるというのは、けっこう離れ技だったんじゃないでしょうか。その甲斐あって、自閉症という障壁を克服して心を通い合わせる二人の姿には、やっぱり感動させられてしまいます。こうした物語のセオリーでは、主人公に降り懸かる困難は大きいほど感動は大きいわけですし、その点で自閉症ほど大きな困難なんて、この世にはそんなにありませんから。

まぁ、主人公の相手役の設定(心的外傷で涙が出なくなった)はちょっと無理があるんじゃないか?とか、悪役が最初からモロ分かり(登場シーンには必ず怖い音楽が流れるので)なのはどうか?とか、細かいところはいろいろありますが、全体として僕はとても気に入りましたし、自閉症の世界が少しだけ分かるという点でも、興味のある方にはオススメできるドラマでした。(でも、よほど大きなレンタル店でないと、もう無いみたいですけど)

余談ですが、カトちゃんが出てくる(父親役)のもドリフ世代の僕には嬉しいポイントだったりして(笑)。


'03.04.23(水)

子供の児童精神科の日。今回で既に四回目ですから経過観察のみ。いくつかアドバイスを求め、先々週の児童相談所での検査の報告もしてきました。知能指数が100になっていたと言うと「へええぇぇー、すごく伸びたねぇ(笑)」と、とても驚かれてしまいました(^^)。

自閉症スペクトラムに於いては知的レベルが高いほど、却って社会への適応が悪いという調査結果もあり、知的な遅れが無いことを手放しで喜べるわけではありません。しかし、いくつかの問題をクリアすることさえできれば、アスペの人の多くは“感情やその場の雰囲気に惑わされず、論理的に物事を考えられる”という、とても大きな長所を持っています(一概には言えませんが、そういう場合が多いようです)。何事も、良いことばかりでもないかもしれませんが、悪いことばかりでもないということなんでしょうね。


'03.04.26(土)

長女の言語教室。一緒に入って療育の様子を見られる日かと思っていったらとんだ勘違い。他の人の当番の日だったので、待ち時間の間近くの書店へ。

おおっ、『光とともに…』の4巻が平積みで大量にありますねぇ。そういえば発売日の24日には書くのを忘れましたが、これは自閉症のことをとてもよく調べて描いてあるコミックで、参考になることが多い上にストーリーも良いんです(感動的!)。うちでは夫婦揃ってお気に入り。

4巻では主人公の光君の学校生活に一波乱(理解のある先生との別れなど)あるんですが……ちょっと簡単に問題が解決しすぎかな(^^;。でも、現実世界のように無理解な教師に散々な対応をされ続けて二次障害が出てしまうとかいう物語では切な過ぎるので、この程度の波乱で良かったのかも。

少し前にも紹介しましたが、これはとてもオススメなので「自閉症って何?」という人は、ぜひ読んでみていただきたいと思います。
『光とともに…(1)』
『光とともに…(2)』
『光とともに…(3)』
『光とともに…(4)』


'03.04.28(月)

25日の日記で自分の短期記憶が極端に弱いことを書きまして、自閉症の人の中に似た症状を持つ人がいると言いましたが、読み返してみてちょっと説明不足かと思ったので補足しておきます。

実際には自閉症スペクトラムの人のほとんどは、記憶力は普通人より強いです。ドラマ『君が教えてくれたこと』の中でも「私たちは忘れることができないの」というセリフがありましたが、一般的には全くその通り。彼(彼女)らの多くは大昔のことも克明に覚えていたりしますし、何月何日に何をしたとか、電車の路線図や時刻表を暗記していたりとか、円周率を何万桁も覚えていたりと言う超絶記憶の持ち主も多いそうです。

その一方で短期記憶が弱い人もいるというのが自閉症の不思議というか、人間の不思議……という感じがして、つくづく面白いなぁと思う今日このごろです。

amazon.co.jpが3%還元キャンペーンをしているので(5月5日まで)本を3冊注文。ちょっと高い本はこういう時に注文しないと(^^)。

『高機能自閉症・アスペルガー症候群入門―正しい理解と対応のために』
『講座 自閉症療育ハンドブック―TEACCHプログラムに学ぶ』
『子どもへのまなざし』

なかなか良さそうな本なので、まだ読んでないけど、とりあえずご紹介。

 


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