「人間は向上もすれば堕落もします。神のごとき人間になることもできれば、動物的人間になることもできます。自由意志を破壊的なことに使用することもできますし、建設的なことに使用することもできます。しかし、何をしようと、人間は永遠に神の分霊であり、神は永遠に人間に宿っております。」

『古代霊シルバーバーチ 不滅の真理』近藤千雄訳・ハート出版刊（P.41）

　霊的な事を聞きかじった人にありがちな疑問の一つに「神が全能の存在なら、なぜ悪というものが存在し得るのか？」というのがあります。それには色々な理由があるのですが、それをあれもこれも書いてしまうとまた長文になってしまいますし、だいいち次回以降に書くネタが無くなってしまうので、今日は一つだけ(^_^;;;。

　なぜ“悪”が存在するのか？　それは、全ての人間に“自由意思”が与えられているからです。シルバーバーチの言うとおり、破壊的にも建設的にも自由意思を行使することが出来ます。どちらかしか選択できないのなら、そこには自由は無いことになってしまいます。

　では、なぜ神は悪の行使を許可しているのか？　それは、善も悪もどちらも選べる中で、善を選ぶからこそ貴いからでは無いでしょうか？　善しか選べないときに善を選ぶのは当たり前です。最初から最後まで“善”しか選択肢が無ければ、そこには成長などありません。悪を行える自由は、霊的な成長のための肥やしなのでしょう。

（善とか悪とかという捉え方は、本当は少し違和感があるのですが、今日の所は便宜的に使いました。ご了承下さいまし(^^)）

初出：Nifty-Serve FARION『心霊学研究所』（11/05/96）