心霊学研究所
類魂とは何か
その1
ここで説明する『類魂説』こそ、スピリチュアリズムの理論の核心と言っても良いと思います。これを理解しなければ、生まれ変わりも、カルマも、背後霊のことも、本当には理解できないでしょう。私たち現代人は『類魂説』の登場によって、過去の仏教などのような単純な輪廻転生説では説明しきれなかった霊的摂理の真相を、ようやく理解できるようになったと言えます。
ただし僕自身も、決して完璧に理解しているわけではありませんし、上手く説明することは出来ていないかもしれません。しかし、僕に分かる範囲で、なるべく分かり易く書いたつもりです。1人でも多くの人が、その一端なりともご理解いただければ嬉しく思います。(過去にNifty-Serve の会議室で発表したものに、多少手を加えました)
再生(生まれ変わり)に関して、大きく分けて五つの考え方があると思います。
1.輪廻転生説 ---- 人間や動物として、何回も生まれ変わる。 2.全部的再生説 ---- 同じ人間が、自分の個性を持ったまま何回も生まれ変わる。 3.部分的再生説 ---- 再生に際して、未浄化の部分が出てくる。 4.創造的再生説 ---- ある霊のカルマのパターンを、分霊(霊的な種のようなもの)に託して、母胎の中の胎児に宿す。 5.再生など無い という説 ……などで、スピリチュアリズムの中では2〜5の説が言われています。その中で、一応主流だと思われ、また、すべての現象をうまく説明できると考えられるのが、これから説明する「類魂説(るいこんせつ)」です。それは、基本的には4の創造的再生説を中心に置いて、それに2の全部的再生説を組み合わせたものです。
人間はこの世に、霊的な進化のために、この世でしかできない体験をするために産まれてきます。一生を全うして霊界に行っても、それで終わりではなく、まだまだ遥か未来まで(おそらく永遠に)進化の道は続きます。しかし数十年、もしくは数百年霊界にいると、進化のための修行に、ある種の行き詰まりを感じるようになってきます。
新たな体験が必要です。そこでもう一度、この世に産まれてくることを決断する事になるのです。この場合は、そのままのパーソナリティを携えての再生が、選ばれます。つまり、ここでは「全部的再生」が行われるわけです。仏教などでは、この全部的再生を永久に繰り返すという事を言っているのだと思いますが、のちほど紹介するマイヤーズの霊界通信によれば、実際はせいぜい4〜5回ぐらいです。5回も地上生活を経験すれば、ほとんどの霊は、もう二度とこの世に人間として産まれてくる必要がない程度には進化できているのだそうです。
しかし、進化の道というのは永遠に続きます。また4〜5回の地上体験だけでは、地上世界のすべてを知ることは不可能です。そこで今度は、自分のカルマのパターンを分霊に託して、霊的な種のようなものを地上の母胎に宿らせることになります。要するに、自分が魂の親となって、魂の子を造るのだとでも言えば、分かり易いでしょうか?魂の子供を地上に送り出して、自分はその分霊の守護霊として、新たな体験をしていくことになるのです。もちろん、この守護霊にも、さらに霊の親がいて、その親にもまた親がいて....と言うぐあいに、霊的な大家族が構成されており、それを「類魂」(るいこん=グループ・ソウル)というのです。
ところで、ちょっと話は変わります(^^)が、一説によれば生まれ変わりの間隔は、おおよそ600〜700年ぐらいとか。平均5回、地上生活をするとして、3,000〜3,500年でこの世を卒業することになりますね。すると、よく前世の話などで出てくる、アトランティスやムー大陸の生まれ変わりの人とか、何十回もの生まれ変わりを覚えている(と自称している)人は、そうとうデキの悪い魂なんでしょうかねぇ(-_-;;;ううむ
(初出 07/29/94 Nifty-Serve FARION mes(13)『神秘学遊戯団』#1617 )