心霊学研究所
kaleidoscope
('00.05.10作成)

心霊治療の実例


 

 数ある心霊現象の中で、インチキや間違いが多いものの一つに“心霊治療”が挙げられるかも知れません。イギリスのように心霊治療に関するスタンダードな団体があるならともかく、日本では宗教団体の布教・集金手段の一つになってしまっています。

 それらの宗教団体の心霊治療でも、一時的に治ることはあるのですが、困ったことにすぐにぶり返し、再び治療を求めることになります。なぜ一時的にしか治らないのか? 実は、それがほとんどの場合、単なる信仰治療に過ぎないからです。つまりプラシーボ効果……思いっきり簡単に言えば、気のせいで“治った”と思い込んでいるだけだからです。

 もしくは「除霊」によって治ったということも考えられます。憑依によって病気になっていた場合は、除霊によっても治るものだからです。日本ではこういう心霊治療も多いようですが、この場合、たとえ病気が消えても、肝心の精神も肉体も状態は変わっていません。しばらくするとまた別の霊に憑依されてしまいます。元の木阿弥ですね。

 では、スピリチュアルなレベルの、真の心霊治療の場合はどうなのか? 実は僕も具体的な統計資料は持っていないんですが、基本的には霊的治療で一度完治した患者は、ほとんど再発することはないと言われているようです。M・H・テスターの本などを読むと、一度心霊治療によって完治すると、それ以降は他の病気にもかかりにくくなったり、精神面でも良い影響が続くことが多いと書かれています。どうやらスピリチュアルなレベルの心霊治療の場合、霊的なバイブレーションにまで好影響を与えるようなのです。

 

 かくいう僕も、心霊治療による治病体験があります。……っと言っても、単なる口内炎でしたから、それほど大したことは無いんですけどね。でも、ヒドイ口内炎の苦しさ、辛さは、実際なったことのない人には分からないという、大変なものなんですよ(^^;。

 たしか'92年頃のことです。その頃までの僕は、ほとんど月に1回のペースで口内炎になると言ってもよいほどで、しかもたびたび極限まで悪化しました。その時も、直径1cm程になってまして、食事も食べられない状態でした。

 その日は、心霊治療ができる友人が僕の下宿に遊びに来ていて、夜を徹して(くだらない(^^;)話をしていました。夜の3時頃、「腹がへったね」ということになり、ファミリーレストランに食事に出かけ、そこで「口内炎が出来てしまって、ろくに物が食べられないんだよね」という話をしたわけです。その時までは、彼の治病能力のことは話には聞いていたものの、ほとんど信じていませんでしたし、治療してもらおうとも思っていませんでした。

 しかし彼は自信満々で、「じゃあ治してあげるよ」と言います。せっかくの好意を断るわけにもいきませんし、真偽を確かめる良い機会だと思いましたので、やってもらうことにしたのです。

 そこで、まず治療前の状態を確かめてみます(基本ですね(^^))。とりあえず水を口に含んでみると、それだけで酷い激痛が走ります。注文してあったスパゲッティでも同じです。とても食べられる状態ではありません。鏡で傷口の状態を見ると、真っ赤な火口のようにぽっかりと傷口が開いています。

 これはヒドイ状態だと確認したところで(;_;)、いよいよ治療です。口内炎の場所を確かめて、その辺りを唇の上から指を当てて、念を込めるような形で治療をします。始めるとその指が、普通ではあり得ないほど熱くなってきました。瞬間、「もしかして本当に治療できているのかも」という期待が胸をよぎります(^^)。治療にかかった時間は、ほんの30秒から1分ぐらいだったでしょうか。意外にあっけなく終わりました。

 恐る恐る口に水を付けてみます。当然、半信半疑ですから、本当に恐る恐るです。ところがなんと、全然痛くない! 次はスパゲッティです。これもやはり、全然痛くなくなっています。ちょっと勇気を出して、いつも通りタバスコをバカスカ掛けてみる(身体に悪いぞ〜)……全然平気です。
 これには本当に驚きました。まるで地獄の責め苦のようだった激痛が、ほんの数分で、きれいさっぱり消えているんですから。

 もう一度鏡で見ると、今度は傷口の上に、薄く、白っぽい膜のようなものがかかって、治りかけていました。(後日、当時付き合っていた現在の妻に聞いてみると、歯医者でレーザーのようなものを当てて治療してもらっても、同じようになるそうです)

 それから2日ほどで、跡形もなく口内炎は消滅しました。(心霊治療が無ければ、治るまで一週間以上はかかっていたと思います)
 しかも、こちらの方が重要かも知れませんが、その時以来僕は、ほとんど口内炎になっていません。なりかけても、大きくなる前に治ってしまいます。まるで、根本的に体質から変わってしまったようです。

 もっともこれは、心霊的《スピリチュアル》治療というよりも、磁気的《サイキック》治療とか気孔のようなものの可能性もあります。しかしどちらにしても、僕にとっては、まさに劇的な体験でした。

 もちろんこれは、たった一人の体験でしかありません。しかし、実例として非常に分かり易いのではないかと思い、書いてみました(^^)。(自分の体験を書くなんて、なんだか格好悪い感じもしますけどね〜(^_^;ゞ)

初出:Nifty-Serve FARION『心霊学研究所』('96.02.04)を改稿


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