心霊学研究所
kaleidoscope
'04.01.11作成

江原啓之とY塾(1)
スピリチュアリズムを騙る霊能タレントの実像

Y塾のHさんがご病気を患っている現状を考え、ご本人はもちろん親族の心労(見られる可能性があるようですので)にも配慮し、固有名詞は伏字に、一部表現をやわらかく書き換えさせていただきました。(邪推する方がいらっしゃるといけないので予め言っておきますが、決して何らかの圧力を受けたわけではありません。脅されたりしたら大喜びで書き立てる……それが僕という人間ですから(^^;)

 

迂闊《うかつ》にも知らなかったんですが、少し前から江原さんの番組を毎週やってるんですね。まあ、今のところあの番組を云々しようとは思いません(と言うか、一度しか見ていないので何とも言えない)。が、この人とその仲間のY塾の危険性は一度キチンと出しておかねばならないと思っていました。この機会に以前に掲示板に書いたものに加筆訂正して、こちらに再掲載します。元発言はスピリチュアリスト掲示板2003年7月7日、発言番号#2526です。

彼らの教えについても批判し出せば切りはないのですが、それは別の機会に譲るとして、本項では彼らの言動に絞って批判して行きます。
教えについては、Y塾に対しては過去の掲示板(掲示板過去ログの特設掲示板と、2002年9月〜2003年1月ごろを参照ください)でやっていますし、江原さんに対してはテレビ番組や書籍についての批評という形でやるべきでしょうから。なお、僕とY塾の間には浅からぬ因縁と確執があります。全て間違いのない事実を書いたつもりですが、主観に歪められた見方になっていないとは保証できません。最終的な事の真偽・是非については各自でご判断下さい。

特にここではY塾のあまりにもおかしな主張と行動を暴いて行くわけですが、今さらこんな誰も知らないような団体を批判することに何の意味があるのかと考える方も多い事でしょう。確かにY塾単独で考えればその通りではあります。が、江原啓之がY塾にお墨付きを与えてしまって話は変わってきました。

Y塾
http://www.d5.dion.ne.jp/~susa/

ご存じの通り江原さんは、スピリチュアル・カウンセラーとしてテレビ・雑誌・書籍にと大活躍しています。どうも僕や心の道場に批判された者同士、掲示板上で意気投合したようですが(敵の敵は味方だと言うことですね(^^;)、その彼がY塾のことを霊査し、「高次からのメッセージを受けている」とのお墨付きを与え、自らのウェブサイトで仲間として紹介し(現在では削除されているようですが)、一緒に和気あいあいと旅行にまで行っているようです。

スピリチュアリズムを学ぶ人の中にも、彼の言動には違和感を表明しつつも
「江原さんの活躍でスピリチュアリズムが広がるなら、多少の脱線は大目に見れば良いのでは?」
と考える人もいるようです。が、とんでもない事です。いや、百歩譲って5万円の相談料(そのうち予約金3万円だっけ?)が高いんじゃないかとか、霊視が当てにならないとか、念を込めた水晶だの会員証だのって何だ!とか、守ってくれている霊と言われたのがまだ生きている人だったとか(苦笑)、その程度のことには目を瞑るとしましょう。

しかし、いくらなんでもY塾を霊査した上で高級霊団とお墨付きを与えてしまったのは、この集団を知っている人間にとって見過ごせるレベルの話ではありません。仮に百歩譲って、テレビやマスコミ媒体での彼の働きがスピリチュアリズムを広める役に立っていたとしても、もしY塾の如きカルト教団との友好関係がマスコミでセンセーショナルに書き立てられることにでもなれば、その程度の貢献など全て吹っ飛びます。日本に於けるスピリチュアリズムの普及活動は、おそらく最低30年は脳死状態に陥るでしょう。だからこそ、先にスピリチュアリズム界内部の人間が、キチッと批判しておかねばならないと考えます。自浄作用を働かせねばならないわけです。

さて、Y塾の関連団体である「神戸・須磨事件の真実を求める市民フォーラム」をご存じでしょうか? 僕もその存在は知っていましたし、Y塾代表の飯沼さんが関わっているということも薄々は知っていました。しかし以前の論争のときは、末端で少しばかり関わっているだけだろうと思っていました。また、フォーラムがどんな主張をしているか、詳しくは知りませんでした。
(いつもの“思い込み”を根拠に冤罪と言っているらしい、というぐらいの認識)

が、最近になって犯人の少年A(酒鬼薔薇)が悔悛の情を見せはじめているらしいとか、近く仮退院するらしいという報道で興味を持ってインターネットで関連情報を調べていたところ、この「市民フォーラム」に行き当たったのでした。それは「2ちゃんねる」の関連スレッドを読むうちに出てきた、次の過去ログです。(2001年の10-11月のスレッド)

■■神戸事件の謎に迫るpart3■■
http://news.2ch.net/youth/kako/1003/10039/1003964397.html
(当サイト内ZIP圧縮ファイル:1003964397.zip

ここに出てくる「フォーラム会員」という投稿者の発言によると、どうもこの「市民フォーラム」という団体は、A少年は犯人ではなく、被害者の父親が犯人であると言っているらしいと分かって来ました。キチガイじみた主張に目眩いがする思いでしたが、僕が怒りを感じたのは彼らの過去の活動内容を知ってからです。彼らは、わが子を失った悲しみの癒えぬご遺族に対して、犯人と決め付けて自白を迫る手紙を何度も送りつけ、勤務先に押し掛け面会を強要し、自宅の前でわめき散らし、あまつさえ近所に告発のビラを7,500枚も撒いたと広言しているのです。

過去に被害者の父親の手記(『淳』という本です。下記リンク参照下さい)を読み、障害のある子の父親として(被害者の少年は知的障害で、うちの子は広汎性発達障害です)その愛情の有り方に深く共感を覚えたことがあっただけに、このフォーラムの連中の愚行を知って、怒りで頭に血が上り、身体が震えました。

『淳』土師守著、新潮文庫
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/410133031X/ref=nosim/paperbirch-22

また、彼らの差別的な心根と、自分の物差しでしか物事を考えられない想像力の欠如に、心から軽蔑を覚えました。彼らは被害者の父親が、知的障害のある子供を疎《うと》んじ、当初の愛情がいつしか憎しみに変わって殺害に至った、などと言っているのですから。(障害児を疎ましく思う親が一人もいないとは言いませんが、より愛情を深める親が圧倒的多数であると----自分の経験からも----僕は信じます)

さしも悪名高い2ちゃんねるとは言え、この愚かな主張に理路整然と理性的な反論を繰り広げる人物がいました。彼のおかげで少しの間は読み応えのある議論が続いたのですが、彼に論破され続けるうちに「フォーラム会員」氏の様子がおかしくなってきます。どこかで……というか、まさに当サイトのスピリチュアリスト掲示板や、Y塾問題特設掲示板で何度も繰り返されたのと全く同じ、僕にとっては強い既視感を感じさせる異常な言動が出てきたのです。

つまり、特設掲示板の時に参加者の一人を『心の道場』の主宰者の方だと決め付けたように、その翌年のスピリチュアリスト掲示板で何人かの投稿者をペーパーバーチの自作自演だと決め付けたように、この「神戸事件の謎に迫る」では、この論客の一人(とその他の反論者のほとんど)を“事件の被害者の父親”の自作自演であると決め付けて、糾弾を始めたのでした。

まともな理性を持った人間なら呆然とするほかありませんが、驚いたことに同調する人間が次々と現われ……ここでも僕は「あれっ?」と思いました。同調者の雰囲気・煽り方が当サイトの騒動の時に湧いて出た煽り連中と全く同じだったからです(2ちゃんねるの通常の煽りとはハッキリ異質であることは、実際に読んでいただければ分かると思います)。

更にこの「フォーラム会員」氏、「論客=被害者の父親=真犯人」という妄想に基づいて想像した相手の心情を延々と書き連ね始めます。

「俺だって、好きで『やった』わけじゃない。どうしようもなかったんだ。」
「仕方ないじゃないか。これはもう、どうしようもないことなんだ」
「こんな苦しさは、お前達には分からない。分かるはずがない」とか、
「言ってやりたい。どんなに辛いものか。どんなに苦しんでいるか」

(#573より)

当サイトの昔からの読者なら、この文章の独特の雰囲気に思い当たるものがあると思います。そう、頼みもしないのに僕や、その他の参加者に連発された、Y塾の霊界通信。全く頓珍漢な事ばかりだと悪評高かった「メッセージ」の文体そのものです。

ここでようやく確信した僕は「神戸・須磨事件の真実を求める市民フォーラム」のサイトに行き、初めて掲示板を覗きました。やはりと言うべきか、呆れたことにと言うべきか、「フォーラム会員」氏こそ、そこの管理人(かな?少なくともそのように振舞っていますが)であり、フォーラムの中心人物であり、おまけに我々の良く知っている、あのY塾の飯沼さんだった、というわけです。

それが分かった時は、当初の怒りもどこへやら、本当に心の底から呆れました。
「お前らはいったい何度同じことを繰り返すのか?」と。
議論の場で追い詰められるたびに、誰かと誰かは同一人物で自作自演していると主張し、それこそ自分たちが自作自演して「怪しい」「白状しろ」と騒ぎ立て、妄想たくましく相手の心情を霊界通信で書き連ね、議論を壊したことを以って自分たちが勝ったと思い込もうとする……。

さて、その破壊された議論も佳境に差しかかります。飯沼さんは完全に論客氏を被害者の父親=犯人として、思い入れたっぷりに呼びかけます。

鏡さん、いや、もう土師さんと呼んでもいいのかな。
やっぱり、人間同士、分かることってあるじゃないですか?
それを、「証拠さえなければいいんだ。断定されないんだ」なんて考えてると、大変な思い違いですよ。

(#637より)
このままでは一生、言いようのない苦しみのなかに置かれたままです。
そして、いつ真実が露見してしまうのかという恐怖。しかも真実は必ず明らかになります。
それはあなたも同じでしょう。このままで、逃げ切れるものではありません。
淳君は、あなたにあなた本来の人間としての心を取り戻してもらうために、
あなたの息子となり、あなたの手にかかって地上を去った。
淳君が意識していなかったにしても、それはあなたとあの子との「魂の約束」だったように思います。
あの子は、その約束どおり、自分を守ることもせず、何も言わずに晒された。
今のあなたは、どうなのか。罪を犯した自分を守るために、機関銃のように偽りを発し続けている。
肝心なこと、本当のことは何も言えず、ただ真実に怯え、恐怖に打ち勝つために。またしても殺意を口にしながら。
土師さん。立ち止まりなさい。心を鎮めなさい。
そして、あの子に心を合わせなさい。あなたの家族に心を合わせなさい。
淳君の父親として、「被害者の父親」として、あなたには今なすべきことがあるだろう。
我が子の身に起こったことについて、真実を語りなさい。

(#638より)

信じられないかも知れませんが、これは冗談でも僕の創作でもありません。フォーラム会員=飯沼さんが、本気で被害者の遺族(と信じている相手)に呼びかけている文章です……どうでしょう? 人並みの理性を持った人間なら、この発言を読んで「狂ってる……」と思うんじゃないでしょうか?(少なくとも僕は思いました)

ただ、この時の飯沼さんにとって不運だったのは、この時の「論客」氏の本人確認が出来てしまったことでしょう。怪しい怪しいと自信満々で追求してきた結果、これですから、面目丸潰れです。……まぁ、詳しい経緯は現物を読んでいただくとして、ここでは関連スレッドを紹介するに止めます。

「フォーラム会員」への批判・非難
http://news.2ch.net/youth/kako/1005/10050/1005079170.html
(当サイト内ZIP圧縮ファイル:1005079170.zip

読んでいただければ分かりますが、飯沼さん、全然反省してません(苦笑)。もっとも、反省なんかしていたら、この僅か1年後に同じことを繰り返すハズはなかったんでしょうけど。……いや、この時の反省があるから、スピリチュアリスト掲示板での自作自演疑惑の時に僕が潔白の証明方法を提案して、言いがかりが証明されたら霊能者としての活動を一切停止せよと要求したときに逆切れして、わけの分からないことをわめき散らして逃げた……ということなのかも。負け犬の捨て台詞に中傷を書き連ね、「どうぞ、名誉侵害で訴えてください」と言ってましたが、もしかして「訴えられなかったのは言ったことが正しかったからだ」とか思ってたりして……。(当掲示板#1809への僕のコメント及び#1871参照)

おっと、肝心のフォーラムのアドレスを忘れてました。

神戸・須磨事件の真実を求める市民フォーラム
http://www.infoseek.livedoor.com/~forum2000/

ここの掲示板を見ると、呆れたことに「ダニ男=心霊おたくのペーパーバチバチとかのサビシイ奴が一人で書いてる」とか「愛知のダニ男」とかいう書き込みがいくつもありまして……なんかここで反論を繰り広げている人のこと、飯沼さんがまたしても僕の別名だと思ってるみたいなんですけど……。しかも飯沼さん、論破されて完全に馬鹿扱いだし(苦笑)。

んなわけあるか。書き込むも何も、読んだのも今日が初めてだと、何か少し書こうと思ったら、既に新規の書き込みは出来ないようになっていました。ああ、議論に負けて逃げたんだなと“僕は”思いましたが、実際どうかは皆さんのご判断に任せます。

僕は、自分が全く身に覚えのない自作自演を決め付けられて、霊界通信でデタラメな“心情”を延々と書かれた経験からも、彼らに霊能力などない、あったとしても低級霊のいいなりに過ぎないと確信している……というより“知って”いますし、ついでに言えば、そういうインチキな連中を認めてしまった江原啓之という自称霊能者も、低級霊に操られているだけであると確信しています。しかし残念ながら僕が「違う」と言っても、それだけでは確実な証拠とは言えませんでした。
(疑われた一方の人間がいなくなってしまったために証明が難しかったのでした。普通に読めば別人と分かる内容ではあったのですが)

が、上に挙げた資料を各々で実際に確認していただければ、この人たちの言葉が徹頭徹尾、信頼に値しないものであることがお分かりいただけるのではないかと思います。まぁ、僕は別に自分が中傷され続けていることぐらいは却って面白いぐらいでどうでもいいんですが、わが子を殺された父親に対して「お前が犯人だろう、自白しろ」というのだけは、到底許すことなど出来ません。もちろんY塾の構成員だけじゃなく、こいつらを支持する奴らも、お仲間の江原も同罪だと思っています。こんなトンでもない集団を、テレビにも出ている有名人が支持を表明している……僕のような無名で、無力な人間が何万回批判しようが蚊が刺すほどにも感じないでしょうが、それでも僕は、この江原という自称スピリチュアル・カウンセラーを、声を大にして批判せずにはいられません。……大人の態度で見過ごして、一言も言及しないでいられれば、僕ももう少し好感度が上がるんでしょうけど(苦笑)。

次項〈資料編〉に続きます。

 


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