心霊学研究所
スピリチュアリズムQ&A
(11/06/99作成)
スピリチュアリズムの本(特に日本で書かれたもの)を読むと、「さにわ」という言葉がたびたび出てきます。特に霊能者というわけでも無いようなのに、なぜか重要視されている「さにわ」とは、いったい何? |
「さにわ」は「審神者」と書きます。交霊会などに於いて、霊能者に憑(カカ)った霊を見極める役目をする人のことです。また、交霊全体の監視者でもあります。 この審神者という言葉、実は『古事記』のなかに既に出てきます。中巻『仲哀天皇』の章が、現存する最も古い「さにわ」という言葉の記録と思われます。もっとも、使われている文字も、意味も現代とは違います。『沙庭』という文字が使われており、神を降ろして神託を受ける場所のことを指しているようです。このお話の中では、その場所で天皇が、降りてきた神をニセモノと判断するのですが、その神の怒りを買い死んでしまいます。 おそらくこのエピソードがもとになって、交霊会などで、神=霊を判断する役割をする人のことを「審神者(さにわ)」と言うようになったのでしょう。(つまり「審神者」という文字は、当て字なわけです)
私見ですが、審神者を重視するところが、スピリチュアリズムや日本の神道を、他の凡百の宗教と分別するところだと思います。 霊能者の言うことを何となく無条件に受け入れる……それではつまらない宗教と同じです。僕はよく「霊能者の言うことなんか信じてちゃいけないよ」などと言ったりするんですが(そこまで言っていいのかぁ?(^^;)、仮にもスピリチュアリストならば、霊能者から適度に距離をおいた客観的な視点を維持するべきです。審神者とは、そういうスピリチュアリズムのスタンスを、もっともよく現す存在であると言えるかも知れません。 審神者は重要な事柄ですので、何度かに分けて解説したいと思います。次回に続きます。 |