心霊学研究所
スピリチュアリズムQ&A
(12/01/99作成)

スピリチュアリズムQ&A(6)


 

審神者が絶対必要なことは分かりましたが、霊能者(霊媒)本人が、審神者も兼ねる事は可能でしょうか?

 


 

霊能者本人が審神者も兼ねるのは・不可能・ではありませんが、かなり・困難・です。下手をすると、宗教の教祖への途を真っ逆さまです。

 言葉の定義なんてどうにでもなりますから「これが審神者でこれは審神者ではない」というのは大して意味はないかもしれませんが……いちおう厳密に定義すると、霊媒本人が霊に質問するのは、基本的には審神者とはいえません。もちろん審神の確実性の点でも不安があります。

 審神者は、霊能者に憑(かか)った霊と対話して、その霊がどの程度の者なのかを見抜かねばなりません。審神者本人の全身全霊で、知力・経験・直感力を総動員して霊と対峙せねばならないわけです。その中でももっとも大切なのは“直感”だと言われています。ところが霊媒に霊が降りてくるということは、すでにある程度波長(バイブレーション)が通じているということ……多かれ少なかれ、その霊の影響下にあるということです。その時点で“直感力”が働くことは期待できなくなるわけです。

 波長の通じた霊が降りてくるということは、程度の低い人には程度の低い霊が、高潔な人には高級霊が降りてくるということです(※)。審神者は、霊媒の人格まで含めて判断しています。これは、霊媒本人では“不可能”とまでは言えないかもしれませんが“非常に困難”ではあるでしょう。

※−−品性の卑しい人間に、高級霊が降りてくることは“絶対に”ありません。

 また、信頼できる審神者がいない状況でトランスに入ってしまうと、万が一の時に“最悪の結果”を招かないとも限りません。たとえ審神者をできる人間がいなくても、必ず自分の意識は保つようにして、さらに念のため、入ってしまいそうになったときに止めてくれる人に監視してもらうべきです。(様子がおかしいときに止めるだけなら審神者ほどの素養は必要ありませんから)

 

 それと関連したもう一つの審神者の重要な役割として、交霊会全体をコントロールするということもあります。降りてきた霊が高級霊なら、それに相応しい“場”の雰囲気が保てるように気を配らねばなりませんし(※)、低級霊であれば、その霊を説得して浄化(いわゆる成仏)させたり、それが不可能なら追い払ったりしなければいけません。

 つまり、どんな場合でも交霊を有意義なものにし、同時に霊能者の安全も保証せねばならない。この役割はトランス状態に入っている霊媒には不可能です。

※−−というより、良い雰囲気の中で行われる交霊でなければ高級霊は降りてきません。

 トランスに入るというのは、霊に肉体のコントロールを委ねるということです。つまり、常に低級霊に完全に憑依されてしまう危険性と背中合わせなわけです。下手をすれば精神病院への入退院を一生繰り返すことになるかもしれないほどのことなのですから、それをコントロールせねばならない審神者は、用心の上にも用心を重ねなければならない、非常に重大な責任があると言えるでしょう。

 


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