心霊学研究所
スピリチュアリズムQ&A
('99.12.5作成)

スピリチュアリズムQ&A(7)


誰にでもできるサニワの方法は無いものでしょうか?


審神者には誰でもなれるものではありませんが、霊を見分けるポイントなら、いくつか挙げることが可能です。

 すでにお分かりのことと思いますが、本物の審神者など誰にでもなれるものではありません。心・技・体の3拍子が揃った人でなければ難しい……つまり、どんな霊(相手)とでも真正面から向き合える人間性、霊の言葉や霊的現象を正しく判断できる霊的知識と経験、未浄化霊に付け入るスキを与えないための万全の体調を、常に備えていなければならないわけです。

 とは言え現実に、そんな人材などめったにいるものではありません。霊的なことに関わるすべての人が、霊を見分ける方法を知っておくべきゆえんです。いくつか、最低限必要と思われるポイントを列記してみたいと思います。

 

■霊を見分けるポイント

1.内容の整合性のチェック
 常識的な理性を働かせて、「明らかに間違ったこと」や「矛盾すること」を言っていないかのチェックをします。例えば釈迦の霊が出てきて、八正道の順番を間違えて言ったりとか、モーゼの霊が「自分がモーゼ五書を書いた」とか言ったら、これはニセモノだと分かるわけです。
 もちろん、こんな有名人でなくても、時代考証や科学的知識の面からチェックしてボロが出るようなら、少なくとも高級霊ではありません。

 また低級霊の場合、往々にして言っていることが矛盾していたり、途中で変わってきたりします。内容の整合性のチェックも欠かせません。

 

2.霊の雰囲気のチェック
 霊と話してみた感じはどうか。その雰囲気から、どの程度の霊かを感じ取ることは出来るはずです。やたらと自己顕示欲が強かったり、プライドが高かったりしないでしょうか? 天使や神様、過去の偉人の名前を名乗る霊は、ほとんどの場合、自己顕示欲ばかり強い低級霊です。

 本物の高級霊なら、霊的学びのレベルでは幼稚園レベルのこの世での名声など、恥ずかしくて名乗れないのが本当のところです。幼稚園の番長が、大人になってもその時のことを誇っているのを想像してみてください。
 正体を詮索(せんさく)されて怒り出したり、イライラしてくるようなら、100%間違いなく低級霊の騙(かた)りです。

 もっと身近な人間の霊の場合は、その人の生前の様子と比べてみれば良いでしょう。たとえ死んであの世に行っても、それだけで著しく様子が変わるはずがありませんから。

 

3.霊能者の人格は?
 霊の程度を見分けるためには、霊能者の人間性も大きなヒントになります。霊的な波長が通じるから降りてこられるのですから、(霊媒と比べて)あまりにも程度の高すぎる霊が出てくることはありません。程度の低いほうなら大丈夫ですが……。

 ですから、神仏を名乗る霊が降りて来たなら、霊能者を観て「なるほどこの人になら……」と思えるかどうか、考えてみましょう。「こんな人に神様が降りてくるかなぁ?」と思ったら、その直感を信じましょう(^^;。往々にして「これが本物だったらいいのに」という願望が判断力を曇らせることが多いので、注意が必要です。

 

4.霊視はしないこと
 審神者は霊視をしてはいけません。霊にとっては、姿形を変えて騙すなど簡単なことです。霊視した姿が「翼をはやした、光輝く天使」だったとしても、それが本当の相手の姿とはかぎりません。霊視者のイメージする高貴なものを投影させているだけかもしれないのですから、まったく当てにならないわけです。特に「光輝いていたから高級霊に違いない」という思い込みは根強いのですが、そんなもの、単三電池の懐中電灯だって輝いているんですから(^^;、高級霊だという根拠になるはずがありません。

 ですから霊視は霊能者にまかせるべきであって、審神者まで霊視して、それに惑わされる要因を作ってはいけません。

 

5.(可能ならば)テストをさせてもらいます。
 単純な当て物で良いんですが、たとえば、その場の誰も読んでいないまっさらな本を持ってきて、何ページの何行目の言葉を当ててもらうなどすれば完璧でしょう。手軽にテストできますし、単なるテレパシーで当てられるのも防げます。
 残念ながら、この方法では低級霊の判別は出来ません。むしろ低級霊の方が、こういう当て物は得意だったりしますから。もちろん高級霊ならば、きちんとした計画性のもとで霊団を組んで降りてきます。その中には現象面が得意な低級霊もメンバーとして参加していますから、問題なく出来るはずです。

 こうしたテストで、霊媒の多重人格・妄想・テレパシーの可能性を排除できます。ただし、こういうことの苦手な霊もいますから、これをもってニセモノと断言はできないのですが。(霊団を組むほどの高級霊でない場合にかぎりますが)

 

6.スピリチュアリズムの知識に照らし合わせてみます。
 通信霊の所属している霊団によって、霊示の内容に食い違いが出ることはあります。また、霊といっても何もかも知っているものではありません。それは考慮に入れねばなりませんが、本格的な心霊研究が始まって150年、霊的常識というべきものは既に確立しています。それとあまりに違いすぎるものは、何かがおかしいと分かるはずです。

 

7.直感力
 現場の経験が無く、審神者のレベルには届かないまでも、本物の霊訓を読み込み、霊能者と接し、勉強を重ねていれば、常識的なレベルでの直感力は働くようになるはずです。上記のチェックポイントを総動員した上で、ではこれは本物か偽物か、どの程度のものかの判断は、最終的には直感力に委ねられます。

 

 以上、はなはだ不充分ですが、霊を見分けるポイントを記しました。組織的に霊能者を騙して回る、悪質なイタズラ霊の集団(こうなると“騙すプロ”ですね)もあるそうですから、これで完璧ということは有り得ません。たやすく信じてしまうのではなく、慎重に当たらねばならぬゆえんです。

初出:Nifty-Serve FARION『心霊学研究所』('98.5.18)


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