心霊学研究所
図書室
('06.06.03)


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書 名
インディゴ・チルドレン―新しい子どもたちの登場
著 者
リー・キャロル(編集)、 ジャン・トーバー(編集)
訳 者
愛知ソニア
出版社
ナチュラルスピリット
定 価
1,995円(税込)
発行日
2001/07
判 型
A5判
ページ数
335
ISBN
4931449174
評 価

 

※実はこの本は読んでいませんので、厳密には(厳密でなくても(^^;)書評ではありません。※

最近の精神世界はこんなのが流行っているんだそうだ。

出版社/著者からの内容紹介
今までの「問題児」も「天才児」も実は「インディゴ・
チルドレン」だった?新しく登場したと言われている、
インディゴ(藍色)のバイブレーションをもつ子どもた
ちについて、各界の専門家が注目、詳しく解説。
人類は新たなステージへ進化していくのか...?
ADD、ADHD(注意欠陥多動性障害)の子どもも、
実はインディゴだった.....?
ニューエイジ、心理学、教育関係者も大注目です!

で、こんなことを言ってる。

http://homepage1.nifty.com/angels_garden/indigo.htm
☆彡 インディゴとADHD,ADD
アメリカでは、ADHD(注意欠陥多動性障害)やADD(注意欠陥障害)の子供達にリタリンという薬が処方されるのが殆どです。
日本ではまだ認可されていない薬ですが、こういった子供達を薬で押さえ込んでいいものでしょうか?
ADHDやADDの子供の全てがインディゴと言うわけではありませんが、
「インディゴ・チルドレン」の本ではそれに変わる療法もいくつか提案されています。

リタリンは「子供達を」「押さえ込」む薬なんだそうだ(苦笑)。この一文だけで、こいつらが発達障害のことも、リタリンの作用のことも、発達障害の子を持つ親の思いも、何一つ理解していないことは明白。「それに変わる療法もいくつか提案」などと言って、障害児を食い物にする気満々ですね。で、発達障害の何たるかも知らない奴が、自己流の“療法”とやらを吹聴して、当然予想される結果について落とし前をつけるつもりはあんのかぁ、オラ?(あらやだ、ついお下品な言葉遣いを、オホホ)

この人たちは、ご自分たちの言論について、責任を取るつもりはあるんでしょうか? 障害の特性に合った適切なケアを受けられず、“特別な使命”を持っているなどと吹き込まれて育つ子供たちの十数年後を。……あまりにも無責任で、許し難い。

著者だけじゃない、こういう無辜の子供たちを食い物にするトンデモ本を無邪気に掲示板等で紹介してオススメしている低能共も同罪です。度し難い無知、恐るべき軽率さ、馬鹿もここまでくると犯罪的、と言うべきか。ニューエイジのトンデモ本でADHDを分かった気になってマヌケの仲間うちで盛り上がる前に、果たして一冊でもまともな発達障害関連書籍を読んだのでしょうか?(もちろん一冊や二冊で理解できるとは思いませんが) まずほとんど誰も読んではいないでしょう。

例外はあれど、まずほとんどのニューエイジャーはニューエイジ関連書籍ばかり読んでいて、その知識を表から(つまり正統派のスタンダードな見解から)検証する事がありません。こういうインディゴ何ちゃらやらニューエイジの妄想本を読んで、発達障害や高邁な精神世界やらについて分かったような気になるのが目的であって、実際の障害児・者本人や親の“実際のところ”には、興味なんてまったくないからです。

もちろん、世の中をよくするために地道な努力なんてする気はありませんし、自分が間違った知識を広げることによって被害を被る人が出たって、そんなことは知ったことではありません。だってもうすぐ地球全体のバイブレーションが上がって、考えるだけで理想が実現するようになる(という妄想を信じている)んですから、現在の地上で何がどうなろうが、そんなものは後からどうにでもなると(少なくとも潜在的には)考えているからでしょう。

もっと言えば、例え自分が紹介した知識で相手の人生が狂おうとも、無価値なセミナーに数百万円巻き上げられようとも、それは本人が自らの人生をそのように作っているのだから仕方がない、自分には関係ないと考えているからです。寄付やボランティアにも興味はありません。飢えているのも自分が選んだ現実、本気で願えば抜け出せるはず、きっと北朝鮮の拉致問題だって、考えるだけで帰って来れるはずなのに、本人たちが望んだ現実だとでも思っているのでしょう。そうだな、テメーらの言うとおりなら、もう30年近く経つんだから解放されてるハズだよな。どうしてめぐみちゃんは戻ってこられないのかな。おかしいよなぁ?(怒)

ま、そのことは改めて論じるとして、話を戻しましょう。上記サイトにはこんな記述も……。

日本インディゴ協会(JIA)
ちょっと気になる子ども自身とそのまわりの大人の未来への不安を解消する事を目的とし、
様々な講演会やプログラムを提供しています。

どんな商売やってやがるかと思って見ようと思ったら、既にリンク切れなんですよね。グーグルで検索しても協会のサイトは存在しないようです。数十年後の責任どころか、3年も経たずに消滅とは。こんないい加減なことでは“協会”の看板を上げる資格はありませんね。

初出:『スピリチュアリスト日記』2006.04.24

 


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