心霊学研究所
Silver Birch Companion

Silver Birch Companion(3)


 

「私は荒野に呼ばわる声(*)です。神の使徒以外の何者でもありません。私が誰であるかということに、いったい何の意味があるのでしょう? 私がどの程度の霊であるかは、私の行為で判断していただきたい。私の言葉が、私の誠意が、私の判断が、要するに今こうして人間世界で私がたずさわっている仕事が、暗闇に迷える人々の心の灯火(トモシビ) となり慰めとなったら、それだけで私はうれしいのです」
*----マタイ伝に出てくる、世に容れられない警世家のこと----訳者

『古代霊シルバーバーチ 不滅の真理』近藤千雄訳・ハート出版刊(P.28)

 

 これはシルバーバーチの霊訓の中でも、とても有名な言葉の一つではないかと思います。そして、シルバーバーチの姿勢を、とてもよく表している言葉の一つでもあります。シルバーバーチは、自分の生前の本名を(シルバーバーチというのは仮の名前)尋ねられるたびに、「そんなことを聞いてどうするのですか? 私が有名人だったら有り難がるのでしょうか? 無名の人間だったら無視するのでしょうか?(←記憶で書いているので、本の中に同じ言葉はありません)」という答え方をしていたそうです。

 この姿勢は、何かというと有名人の名前を出して虚勢を張りたがる、二流・三流の霊能者(新興宗教の教祖など)とは一線を画しています。シルバーバーチには「私は実は〜〜と申す者で……」などと言いたがるような自己顕示欲はありません。
 実際、もしも本当に有名な過去の偉人が、霊媒を通して出てきたとしても、今更この世に居たときの名前など名乗る気にはならないはずです。

 なぜだか分かりますよね。(^^)

 

 それはたとえば、社会人になってから、「私は幼稚園の時の“ちゅうりっぷ組”で○○ちゃんと呼ばれていました。これからもその名前で呼んでね」と宣言するようなものですから(ハ、ハズカシすぎる……(^^;)。まともな神経を持っていれば、いい大人になって、幼稚園の時のあだ名で呼ばれたいとは思わないでしょう。
 この世の人間と、この世を卒業した高級霊とでは、それほどのレベルの違いがあるわけですし、また、そうでなくては教えを乞う意味も無いはずです。

 交霊会に出てきて「私は○○(←もちろん有名人の名前)の霊だ」などと名乗る霊は、ほとんどインチキか、万が一本物だとしても、程度の低い霊であると考えて間違いない……と、断言して良いでしょう。

 当然のことながらシルバーバーチは、M・バーバネルを通して出てきていた60年の間、一度たりとも地上時代の本名を明かしませんでした。

 

 ……が、なんだか、「シルバーバーチの地上時代は〜〜だった」などという話をしている人もいるようです。ハッキリ言ってしまえば(心霊研究家で“自称”スピリチュアリストの)桑原啓善さん。

 困りましたね。この人、シルバーバーチの翻訳書まで出していると言うのに、書かれている内容(意味)を全く理解できていないようです。「シルバーバーチもハルマゲドンの予言をしている」とか言ってるし……。あんた、それ、第二次大戦が始まる事を暗示した部分でしょ〜が。

 ホント、最近ではデタラメなトンデモ本もたくさん書いてるし。その中でスピリチュアリストだのスピリチュアリズムだの言ってるし……。ホントにホントに困ったものです(;_;)。

 

 ううむ、イカンイカン。せっかくの良い言葉を紹介したのに、アホな愚痴をこぼしてしまったf^_^;ポリポリ。

初出:Nifty-Serve FARION『心霊学研究所』(10/28/96)

 


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